2005年03月01日

北の零年(3月2日追記)(11月15日評価変更)

結論から申し上げますと、なかなか良い出来でした。
但し「邦画としては」と言う事で、かなり採点を甘くしていますけれどね。

この映画は簡単にストーリーを書こうとしても複雑すぎて、私には書き表せません。どうか、興味のある人は公式ページをご参照ください。(link)

期待していた通り、日本人の機微がとてもうまく表現されていました(ゲージンにはわかんねぇだろうなぁ)。また、一人一人の人間像がとても良く描かれていて、そこについては本当に素晴らしかったと思っています。
残念だと思ったのは特殊効果の部分です。特殊効果ってこれでもかと金を掛けても不自然さは残りますし、それに頼ると作りそのものが安易になってしまう気がします。この映画でも画面を合成した時にはエッジが際だって不自然が目立ちましたし、雪が降るシーンでも吹雪いている中で顔に雪が掛からないなんてあり得ない。そう言うところで楽をすると真剣さが伝わって来ないなぁとしみじみ思いました。
また、脚本が悪いのか監督が悪いのか、その辺りがいまいち分かりませんけれど、作り手側の独りよがりな展開が多いんですよ。「この映画を見る前に公式ページなどを見て勉強してこい」とでも言うのでしょうか。兎に角、この作品中には「そして○年後」というのが何回もあるのですが、何の前知識も持たずに見た私には「突然展開が変わったけど、その間にあんた達は何をしていたの?」と思う事があちこちにありました。また、武士道という観点から考えても最後の牧場シーンは中途半端だなぁと思いました。これは時代の流れが武士道を過去のものにしてしまったと言う事を表しているのか、それとも監督の腕が悪い証拠なのか、その辺りの区別がつきませんが、私には納得のできない事でした。あと、上映時間の3時間もこの内容では長すぎると思いました。

評価は星みっつです。
しかし、独りよがりな展開がなく、更に上映時間をあと30分縮められたならこの作品は星四つの価値があると思いました。この長さがネックですが、誘われたらもう一度見ても良いかなと思います。


北の零年


-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-


1日経ってもう一度この映画を考えてみました。
「日本人の機微がうまく表現されていた」とは…私は何に感動したんでしょう。
一つは武士の崩壊でしょうか。主君に仕え命を賭ける。士農工商の身分がはっきりとし、何の疑問も持っていなかった時代が維新によって打ち砕かれ皆が平等と言う信じられない世の中になった。そして程なく廃藩置県により藩さえなくなってしまう。武士としてのよりどころが無くなって自棄になってしまう人と、その中でも強く生きる事を見失わなかった人。それがとてもうまく書かれていたと思います。そのどちらも人間です。間違いも正解もありません。そのどちらもが「武士道」だったと思います。

その後の様々な出来事の中で、善人と思われる人、悪人と思われる人が入り乱れます。
善人が悪人になったり、悪人が善人になったり、悪人も別の人の前では善人だったり、その逆もあったり…様々な人の顔が見えてきます。
これがアメリカの映画だと善は善、悪は悪とはっきりしていますね。どう立ち向かうか、どう勝利を収めるかだけが注目されてしまうようです。でも、この映画は善も悪もどちらにも事情がある。どちらにも様々な顔があると言う事を訴えているように思います。
これって神対悪魔とはっきり善悪が別れていて神は万能で間違いを犯さない国と、八百万の神がいて神が嘘もつけば酒を飲み泣きも殺しもする国の国民性の差なんだろうなぁと思ったんですけれど、極端すぎますかねぇ。

そう、昨日星三つと書きながらとても良い出来だったと思って居たのは、その辺りがとても良く描けていて心に残ったからだったんです。昨日は欠点もかなり目についたのですけれど、1日経って思い出すのは上記のような凄く良かった点ばかりです。うん、とても良い作品でした。
やっぱり掟を破って星四つにしちゃおうかなぁ…うん、しちゃおう。星四つです。(3月6日 やっぱりおもしろかったので星5つにしちゃいました)




2005.11.15 今年見た映画全体を見渡して、評価をつけ直しました。この映画は星を4つとしました。今までは「邦画だから甘くした」という表現もありましたが、この評価は邦画、洋画関係なく「映画」として評価した成績です。
posted by lunatic at 18:49| Comment(0) | TrackBack(6) | ☆☆☆☆★(おもろい) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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