2005年05月30日

ロスト・イン・トランスレーション(DVD)


この映画、いつもの如く予備知識をまったく持たずに見ました。そして見終わった直後の評価は「この映画は何? 観光ガイド?それとも酒やホテルの宣伝映画?何を言いたいの?」「星0にしたろか!…いや、しかしゴジラに比べたらまだいくらかマシか」と言う感じのほぼ最低の評価でした。でも、例によって一眠りして思い出してみると、そんなにひどかったか?と思うのです。

「ビールの撮影に来日した映画俳優と、カメラマンの夫について来た新妻。どちらも言葉のわからない日本で孤独を感じ、その中で心を通わせていく」そんな感じのストーリーですかね。

見終わった直後、何がそんなに気に食わなかったか、それがどう変わったのかを考えてみました…
多分、それは見慣れた「東京」と言う街並みが舞台である事?
自分は普通に暮らしていた街が、とても不安の渦巻く街に描かれていた…って事は孤独感をうまく演出しているって事ですよね。
仲間と称して出てくるのがオタク系だったりギャング系だったり一般的じゃない事?
それって都会の象徴みたいなもので、私より都会を良く見て良く知っているって事じゃない?
そいつらも英語しゃべるんかい?
いかにも日本人が英語らしき言葉を話しているのも不自然に感じましたが、人を見た目で判断しちゃいけないよねぇ…逆に日本語しか話さない人の、言葉が通じないイライラも双方からうまく表現していたし、英語を喋らない「一般的な日本人」の「ガイジン」への接し方がとても正しく描かれていました。
なーんだ。「気に食わない」んじゃなくて、自分の知っている「東京」と外人の目で見た「トーキョー」をギャップだったんだなぁ…そんな感じで評価が一日でひっくり返った次第。
そうやって評価がひっくり返ると、言葉の通じず、文化も違う国での孤独感、そして、英語を話す人がいると思ったら「あ、有名人」と話しかけられることへのうんざり感、そんな中で、そういう目で接してこなかった新妻へのありがたみなどがひしひしと伝わってきました。孤独感の中に見つかるほのぼの…とても良い映画なんじゃないでしょうかねぇ。
そんな訳で星は3つにさせていただきます。

…以前、通勤で山手線内回り(池袋→新宿→渋谷方向)に乗っていた時の事。ギターを抱えた金髪のお兄さんが思いつめたような顔をしていました。そして新宿についた頃に「アナタタチハ ツメターイ」「ナゼ ワタシヲムシスルノデスカァ? ワタシサビシヨ」と言いながら泣き叫び始め、それでも皆が目を合わせないようにしていると(通勤列車の中なんてそんなもんでしょ)、ついに渋谷駅で「ウワー アナタタチハミナヒドイヨ」と叫んで荷物を放り出して飛び出していってしまいました。
あのお兄さん(その後どうなったか知りませんが)、この映画を見たら涙を流して「あの時、こんな人がそばにいてくれたら」って思うのかなぁ…ふとそんな事を思ってしまいました。

あ、あと、冒頭に(多分)新宿の街並みが出てくるのですが、その中にさまざまなネオンが写っていました。漢字好きのガイジンがTシャツにプリントしそう…「脱毛」なんて書かれたTシャツが出回ったら神秘的(?)で面白いのになぁ・・・



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この記事へのコメント
TBありがとうございました!!

>…そんな感じで評価が一日でひっくり返った次第。

その感じわかります。
あとでじんわり、あぁ、そうなんだ…と思うんですよね…。
ひとりぼっちの異邦人の気持ち、ちょっとした出会い、一瞬のきらめき…。
特にインパクトは無いけれど、素敵な作品だと、
私も後になるほど思いました!
 
Posted by garam at 2005年06月01日 02:40
garamさん コメントありがとうございます。
このジワジワって結構楽しいですね。
目からうろこが取れたって言うのはこういう事なのかなと思える時。幸せな時間でした。
Posted by lunatic at 2005年06月01日 21:55
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