2005年11月07日

恋愛小説家(DVD)



記録には残っていないのですが、このDVD以前に一度借りたことがあります。どんな理由でかは今となっては分かりませんが、結末の部分も見覚えがあるのですけれど中程が記憶から抜け落ちていて記録にも残っていない…多分、途中で寝て最初と最後だけ見ておしまいにしてしまった映画なんでしょうね。こんなおもしろい映画をどうしてそんな風に中途半端に投げ出してしまったんでしょ。もったいない話です。

ストーリーは白人で精神的な傷害(潔癖性のようなもの)をもち、毒舌家で職業は恋愛小説家のメルビンは昼食に通う飯屋のウェイトレスキャロルに好意を持っている。けど、毒舌家で素直に感情を表すことができないメルビンは嫌われこそすれ好かれる方にはなかなか進まない。同じアパートに住むゲイの画家サイモンとの絡みも交えて人間模様が描かれていきます。

兎に角、メルビンの性格が強烈です。レストランに食事に行って、いつも自分が座っているところに他の人が座っていると「ユダヤ人の鼻はでかい…」などとこき下ろしたり、隣に住む画家のサイモンが飼っている犬がうるさいと捕まえてダストシュートに放り込んだりします。そのレストランに通うときは自前のプラスチック製(キャンプ用と英語で言っていたような)ナイフやフォークを持参しますし、犬にさわるときは使い捨てビニール手袋をします。歩道ではタイルの継ぎ目を踏まないときめており、更に他人にも触れないし、「さわらないで」と叫んで触れさせません。帰宅をすれば石けんが山のように用意されていて、その石けんは使い捨てしているようです。
最初の数分でメルビンが「鼻持ちならない奴」と見えてきます。顔も常に引きつっていて、自分の毒舌に酔いしれているような雰囲気を醸し出している(名演ですね)ので尚更です。
どんなところでもわがまま放題していて嫌われているメルビンですが、ある日サイモンの家に強盗が入り瀕死の重傷を負ってしまい、サイモンの飼っている犬を預かったことから人生が少しずつ変ってきます。それまで自己チューだったメルビンが少しずつ変ってきます。いや、変ってきたのは態度ではなく、自分を表す方法の方なんですけれどね。

鼻持ちならない嫌われ者が、人と交流をしていくことでどんどん人間らしくなっていく、最初の何分かの不愉快な気持ちが時間の経過とともに映画に引き込まれて、いつの間にか「ばっかでー。こんなところでそんなセリフ言ったら嫌われるの当たり前じゃーん アッホやなー」とか「今度こそうまく言うんだぞ」とか一緒になって応援している自分に気付いて赤面したりするんですよ。先日見た「セルラー」はストレートにおもしろさを伝えてきましたが、この映画はおもしろさというか人間臭さをものすごい落差のフォークボールで伝えてくるような映画という感じがしました。「セルラー」とは評価の点数は同じでも表と裏、上と下、縦と横…兎に角交わることはないけど、おもしろいと言う点では同列という感じでした。誰にでも勧められると言う映画ではありません。けど、人間模様をとてもよく描いている映画ですので、そういうのが好きな人には迷わずお勧めの一品です。あと、ほんの数カットですが、キャサリンのセミヌードはとても美しかったです。

そんな訳でこの映画も星4つです。



(2005/11/09追記)
上で
それまで自己チューだったメルビンが少しずつ変ってきます。いや、変ってきたのは態度ではなく、自分を表す方法の方なんですけれどね。
と書きました。
けど、それはそれで有りなんですけど、それだけじゃなくて、毒舌と潔癖症で人を近づけないようにしていたメルビンは傍から見て付き合い辛い(付き合えない)鼻持ちならない嫌われ者だった訳ですが、理由はどうあれ、ある線を越えて内側を覗いてみたら実はそのやさしさを隠し持っていて、それがうまく表現できないだけの人だったという事が発見されていくと言う面もあるんですよね。人に好かれる人と嫌われる人、その差は自分を適切に表現できるかどうか、思っていることを、相手をイライラさせずにスムースに伝えられるかどうか、そんな小さなことの積み重ねに掛かっているのではないでしょうか。うまく伝えられず嫌われている人も、きちんとその人なりを見れば(「見てあげれば」などと人を見下した態度をとることをこの映画は言っていないと思います)、今まで見えてこなかった人の魅力と言うものが見えるんじゃないか。そんな風に考えさせてくれる映画だと思えます。是非、多くの人がこれを見て考えて欲しいなぁと思う作品です。



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この記事へのコメント
こんにちは。TB&記事のリンクありがとうございます。
この時のジャックはキュートでしたねぇ・・・
これまで持っていたイメージがガラッと変わるほどにラストでは可愛らしかったなぁ・・・。
私も最後の方では、

>「ばっかでー。こんなところでそんなセリフ言ったら嫌われるの当たり前じゃーん アッホやなー」とか「今度こそうまく言うんだぞ」とか一緒になって応援

同じように応援してました(笑)
Posted by chibisaru at 2005年11月08日 17:43
トラックバックありがとうございました。
この映画、他のラブストーリーより断然好きです。
良い映画を共感できてとても嬉しいです。
Posted by 映画君の毎日 at 2005年11月08日 19:13
TBありがとうございました。
私は誰にでもオススメしちゃうな(笑)。
とにかく大好きな作品です。
Posted by 結局映画かよ at 2005年11月08日 21:53
chibisaruさん>
コメントとTBありがとうございます。
この映画、本当面白いですね。これだけ感情移入した映画、久しぶりです。
返す前にもう一度見ておこうと思います。

映画君の毎日さん>
コメントとTBありがとうございます。
私も個人的には「とても好きな映画」の上位にランクする映画となりました。そして、本当に、この映画を見て感動を共有できる人がすぐに見つかるってブログって良いですね〜と思います。

結局映画かよさん>
コメントとTBありがとうございます。
あまりにも強烈なため、軽い映画を好む人はこの映画を避けるんじゃないかな?なんて思って「誰にでも勧められる映画とは言えない」と書きましたが、誰にでも見て欲しい映画でもあります。そんな思いも踏まえ追記を少し書きました。
Posted by lunatic at 2005年11月09日 10:10
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